みなもと太郎先生による日本の漫画作品。
「ワイド版」として大判単行本全20巻が刊行
「ワイド版」として大判単行本全20巻が刊行
元々幕末の群像を描くことを目的とした企画でしたが、幕末の状況はそもそも江戸幕府成立の頃に根があるということで、関ヶ原の戦いより執筆を開始しました。これが当初に企画された出版社側の計画を大幅に狂わせ、江戸時代300年を通して時代の発展に関わった人間たちの運命を描く大河ドラマ漫画となりました。
漫画やアニメ、漫才師やコメディアンのネタ(特に吉本新喜劇)、時代劇、映画、TV、時事ネタなどをパロディとしてギャグにしているのも特徴で、ワイド版では、時間が経って分かりにくくなったギャグの解説のため「脚注」をもじった「ギャグ注」を巻末に収録しています。
執筆当時に入手可能な最新の史的資料を調査した上で執筆されているため、それまでの多くの歴史フィクションでよく見られたステレオタイプの視点や、学校などで習う標準的な歴史観を脱しており、時に保科正之のようにそれまで注目されていなかったマイナーな人物にスポットが当てられたり、田沼意次のように悪人と見られがちな人物を史実に基づき肯定的に描くなどしています。逆に、従来は肯定的に描かれることが多かった人物の否定的側面を取り上げていることもあります。人物の善悪を分けたとき、権力側ではなく民衆に立って行動した者を善玉としている。
手塚治虫文化賞[特別賞]受賞。
このように史実に対して忠実であろうとする一方、単なる事実の羅列ではなく、幕末へ向けて連鎖する生きた物語として江戸時代の歴史を捉え直し、描き出しています。